犬が痒がる。考えられる原因・治療法・費用など【獣医師監修】
体感ですが、意外と痒みに悩むわんちゃんは多いです。
人間だと痒みはそんなに深刻にとらえられませんが、わんちゃんの場合はかき壊してしまう事もありますから、「痒がってる?」くらいで対処しておかないと大変な事になる場合もあります。
ここでは、痒みの原因や治療法、費用などを解説していきたいと思います。
痒みの原因は?
元も子もないことをいうとめっちゃいっぱいあります。
ので、ネットで検索して答えが見つかることは稀でしょう。
可能性の高いものをあげていきたいと思います。
アレルギー
イメージしやすいですがアレルギーで痒くなることがあります。
この場合は皮膚炎があるので異常には気づきやすいかと思います。
アレルギーの特徴は痒くなる前に何かの切欠があります。
特定の場所に行ったら痒くなる、食後痒がる、とか。
左右バランスよく炎症が起きるのも特徴です。
ノミ・ダニ・シラミ等
ノミでイメージするのがわかりやすいですが、シラミやマダニ、ヒゼンダニでも痒くなります。
放っておくといろんな意味で大変なことになりますが、予防薬を投与しておくことでリスクは大きく下げられます。
草むらにいかなくても人間にひっついて移動するのでやはり予防が一番の対策だと思われます。
カビ
カビ!?と思われるかもしれませんが結構メジャーです。
皮膚糸状菌症、マラセチア性皮膚炎が多いです。
カビは身の回りにたくさんいて、完全に防ぐことができません。
また、放っておくとどんどん広がっていきます。
しつこいし、人にも感染するので注意が必要です。
その他
その他腫瘍などが原因でポリポリしたり、あとは心因性のものもあります。
検査・治療は?
皮膚の状況等をみながらある程度あたりをつけていきます。
具体的な検査としては、ブラシをかけたり、セロテープ検査といってセロテープを張り付けたり、毛を顕微鏡でみたり、皮膚を削ってみたり。
真菌など培養検査をすることもあります。
そして原因が概ね定まったら駆虫薬を投与したり、シャンプーをしたり投薬をしたりといった具体的な治療に入っていきます。
原因によって検査もやることも治療期間も変わってくるので費用も一概に申し上げにくいのですが、割とすぐ治った場合は1万円行かないくらいじゃないかなぁと思います。
アレルギーについては完治することは難しいですから、定期的な通院を要するでしょう。
皮膚病の治療で大事なこと
早めに病院にかかる
皮膚病の治療ではもちろん原因を解決することも大事なのですが、今痒くて苦しんでいる状態をとりあえずなんとかしてあげるのも同じくらい大事です。
誰しも蚊に刺されて痒くて難儀した経験はお持ちだと思いますが、あれが四六時中続くなんて耐えられますか?
ましてやひっかいたり擦りつけたりくらいしかわんちゃんはできない訳ですから尚更です。
そして、当然ながら重症より軽症の方が痒みがおさまるのも早いです。
気づいたらすぐ、動物病院に相談してくださいね。
治るまでちゃんと通う
面倒くさいとは思いますが、皮膚病の治療を途中で中断すると元に戻ることがたくさんあります。
処方された薬は多少キレイになっても自己判断で辞めず、また獣医にも経過観察をさせてください。
中途半端な治療→治療中止→再発→中途半端な治療と繰り返すのはわんちゃんにとっても非常に良くないです。
皮膚病の予防で大切なこと
清潔な環境を大事にしてあげる
人間でもそうですが、汚れたままでいると悪いモノが皮膚にいっぱいついて痒くなったりします。
定期的なブラッシングやシャンプーは大切にしてあげてください。
トリミングサロンを活用するのも良いと思います。
サロンのトリマーさんが皮膚の異常に気付いてくれることもあるでしょうしね。
また、普段わんちゃんがいるところも清潔にしてあげることで皮膚病の予防に繋がり、飼い主様ご本人も異常にも気づきやすくなります。
寄生虫予防をする
毎年春にまとめてされている方も多いでしょうが、ワクチン・フィラリアに加えノミダニの予防もしておいた方が良いでしょう。
皮膚炎まで完全に防げるかというとクエスチョンですが、少なくとも愛犬の体が寄生虫のおうちになることは避けられます。
多頭飼育の場合余計注意してあげてください。
そして、猫ちゃんが一緒に暮らしている場合は要成分チェック。フェノトリンが入っているものは避けるようにしてくださいね。
最近はフィラリア等もセットになったオールインワン予防薬が主流ですので、獣医師さんに相談して飼い主さんにも負担の少ないものを選びましょう。
ストレスの少ない環境を大事にしてあげる
ストレスで痒くなる子もいます。
それでなくてもストレスがかかることで免疫力の低下に繋がり、カビの感染を招いたりすることもあります。
改めていうまでもないですがストレスは少ないにこしたことはないです。
一番大事なことは
色々と書いてきましたが、予防できるよう気を付けていても皮膚病は100%防げません。
大事なことは飼い主様がいかに早く気づいて、いかに早く動物病院に来ていただけるかです。
痒みは本当大変なストレスです。
常日頃からスキンシップをいっぱい行って、何かあった時気づけるようにしてあげてくださいね。