【獣医師監修】小鳥の通院。体調不良になったら?(インコ・文鳥等)

当院にも最近は鳥さんがちょこちょこ来院されます。
わんちゃん猫ちゃんは比較的病院になじみがありますが、鳥さんはあんまりイメージがない方も多いのでは。
そこで、小鳥の通院について書いてみたいと思います。

小鳥の病気と病院

当然ですが、小鳥というか鳥も病気になります。
栄養の不良、皮膚病、寄生虫などたくさんの種類があるので、当たり前ですが気づいたらすぐに病院に行くのが重要です。
ただ、鳥の診療は難しく、対応していない動物病院もあります。
鳥を飼うことを決めた時点で、近隣の動物病院をチェックしておくことが重要です。
理想は専門病院ですが、近くにない場合は当院のように鳥の診療も行っている一般の病院をかかりつけとして確保していただければと思います。
専門病院は最近増えてきて、兵庫には伊丹、大阪には高槻や天王寺等複数あるようですね。

病院に連れていくにあたり

当院では小鳥の診察について下記のように案内しています。

https://nishinomiya.vet/clinic/wp/wp-content/uploads/2022/02/kotori-shinsatsu.pdf

こちらにも書いていますが、小鳥は非常にデリケートな生き物で、体調不良の際は手で触れただけでも死んでしまう事があります。
その性質をよく理解し、小さな異変でも早めに動物病院に行くことが大事です。
急患の場合は事前にお電話いただいておく方が良いと思います。

また、移動にあたってもできるだけ普段のケージに近い環境で移動できるようにしてあげてください。
通気性も大事ですが、特に冬など保温もしっかりしてあげるようにしてください。
急激な温度変化、極端な暑さも禁物です。
餌、水も用意しておくといいでしょう。

その他移動の際の注意点としては、うっかり逃がしてしまわないように注意してください。
尚、移動にあたっては手荷物扱いで乗り物に持ち込めるので公共交通機関も利用できますが、自転車でこられる場合はケージが激しく揺れたりしないよう注意してください。

移動に便利なグッズ

ネットショップやホームセンターなどでだいたい揃うかと思います。
・鳥用キャリーバッグ(通気性◎)
・鳥用プラケース(保温性◎)
・小さい水入れ
・おやつ、おもちゃ(鳥さんのストレス低減)
・タオル(保温用)
・ケージカバー(なければタオルでも。ストレス低減)

診察の際に重要なこと

これは全ての動物に共通することですが、診察にあたって情報が多い方が良いです。
症状や気になることについてはメモしておくとお話がスムーズです。
・動物の基礎情報(年齢や普段の生活状況、食べ物、既往歴など)
・どのような症状がでているか
・いつから症状が出たのか
・原因と思われる心当たりはあるか
・排尿や排便の状況
・食欲や水をちゃんと飲んでいるか等
・症状に変化があれば時間の経過と併せた記録
・動画や写真(あれば)

ケージにキッチンペーパー等しいておくとウンチが取れます。
糞便検査はやった方がいいことが殆どなので、なるべく新鮮なものをお願いします。
また、病院についた際は一度状況を確認してください。
明らかに急変と思われる症状が出ていればすぐに看護師なり獣医師を捕まえてお伝えいただく方が良いと思います。

診察後~帰宅してから

人間も病院から帰った後って結構疲れてますよね。
動物達も同じです。
鳥さんの帰宅後は、ゆっくりさせてあげて、よく様子をみるようにしてあげてください。
また、お薬などが出た場合はきちんと投薬をお願いします。
投薬に自信がないなどの場合は診察の際にご相談いただけるとよいと思います。

常に病院にいける心構えを

色々と書いてきましたが、鳥に限らず病院へ行くことは常に想定しておいた方が良いです。
というのも、動物達は基本的に体調不良を隠すことの方が多く、気づいた時には悪化していることも珍しくありません。
そして、特に鳥さんについては診察できる動物病院が犬猫と比較し少ないこともあり、事前の心構え、準備が重要になります。
通院用のグッズなども予め用意しておく方が絶対に良いです。

そもそも、まず動物病院へ行くのがオススメ

と、心構えと書いておいてアレなのですが、そもそもお迎えした時点で一回病院で健康診断しておくべきです。
というのも、お迎えした時点で病気にかかっている可能性もありますし、感染症だった場合他の鳥さんがいると広がってしまう可能性もあり得ます。
一度病院にかかっておくことで通院の要領もわかりやすいですし、お迎え時検診はマストかと思います。
爪切り等もできますので、健診がてら定期的な通院もおすすめです。
尚、当院では特に区別しておりませんが、病院によっては鳥の診察料が異なっていることもあるので事前に確認されると良いでしょう。

鳥と暮らすにあたり

鳥類の魅力は美しいことだけではなく、感情の豊かさにもあります。
人懐っこかったりしますし、オウムやインコのおしゃべりもかわいいですよね。
寿命が短いと思われがちですが、丁寧に健康管理を行えば長く一緒にいることも可能です。
当院も医療を通じて、鳥さんと飼い主様の幸せな生活がより長く続くよう頑張ってまいります。

何かあればいつでもお気軽にご相談くださいませ。