ブチギレ猫ちゃんの通院ストレス軽減法5つ【獣医師監修】

猫ちゃんを病院に連れていくのは大変…とよく耳にします。
犬は楽だっていう訳でもないんですが、猫の方が暴れる子が多い気がしますよね。
まぁ、基本家から出ないですしね。

なぜ暴れるのか

なぜ暴れるのかというと、基本的には慣れていないという部分も多いと思います。
前述の通り外出自体も慣れていないでしょうし、病院も毎日行く訳じゃないですからね。
慣れると少しマシで、例えば、入院すると最初はめちゃくちゃ暴れてた子が退院の日には看護師にグルグル言ってることもあります。

まぁ、病院自体が猫にとって注射されたり保定されたりで嬉しい場所じゃないのもあるんでしょうが…

とはいえ、暴れると猫ちゃんも飼い主様も我々医療従事者もケガしてしまうことがあります。
もちろん、それでもしっかり診察はしますが、決して猫ちゃんにとってハッピーな状況ではないのは確かです。
ある程度は仕方ないですが、少しでも対策できるならしたいですよね。
そこで、大きな効果は望めないにせよ、少しでも改善できればということで色々と書いてみたいと思います。

1.キャリーバッグに慣れてもらおう。

病院に行くときにキャリーバッグが出てくる習慣だと、キャリーバッグのイメージも悪くなります。
本来猫は狭い場所が好きなのでサイズがきちんとあったキャリーバッグなら好きになってくれるはず。
常に出しておいて、勝手に入るようになれば通院はかなり楽になると思います。
自宅で使用している猫ちゃんの臭いがついたものをいれておくとより安心度もUPします。

ちなみに、自分自身でイメージするとわかりやすいですが狭いとしんどいです。
せめて中でくるっと回れるくらいのサイズ感は欲しいところ。
また、猫ちゃんも太ることはあるので、耐荷重もチェックしておかないと怖いです。
素材はプラスチックで、上も横も開くタイプがオススメ。

2.病院に慣れてもらおう。

これは飼い主様の無理のない範囲でいいのですが、定期的に病院にきていただけるといいと思います。
簡単な健康診断くらいならストレスも少ないですし、慣れればもっとしっかりした検査もしやすいです。
子猫のうちから習慣づいているとより効果的です。

どうしても暴れる子は洗濯ネットにいれてあげると多少落ち着く子もいます。
効果がなくても万一の脱走等を避けられるので、落ち着かせるのが難しい子には非常に有用です。
洗濯ネットも、猫ちゃんより少し大きいサイズのものを選んであげてください。

また、当院では外から直接診察室に入れます。
待合で人がうろうろしたり、鳴き声等が聞こえたりするとストレスに感じる子もいますので事前にご連絡いただければ診察まで車等でお待ちいただくことも可能です。

3.緊張しないようにしよう。

飼い主様が緊張していると猫ちゃんも緊張します。
お気持ちはわかりますが頑張って落ち着きましょう。

平常心…平常心。

4.サプリメントやフェロモン製剤の力を借りる。

猫ちゃんが落ち着く効果のあるフェロモン製剤(某有名なもの)も効く子は効きます。
猫ちゃんによっては威嚇する子もいる(うちの猫…)ので万能ではありません。
また、不安を和らげるサプリメントもあります。
こちらも超興奮している時はともかく、効く子は効きます。
いずれも動物病院で販売していますし、医薬品ではないので買う前に相談してみるのもいいかも。
(あんまり安くないんですよね、これが…)

ただ、役割としては気持ちを落ち着けるくらいのお話ですので、動物病院という猫ちゃんの脅威に対し過度な期待は禁物です。
乱暴な例えですが、ハーブティー飲んでリラックスしているところに強盗が入ってきたらそれどころじゃないようなイメージです。

5.医薬品の力を借りる。

ガバペンチンというお薬を処方する動物病院も一部あります。
ガバペンチンのガバはGABAからきているそうで、犬猫にも使いますが、人間の抗てんかん薬です。
最近はいろんな食品とかにGABAは入ってますよね。
ストレスだとか睡眠に効果があるだとか…
これを事前に猫ちゃんに与えると凄くおとなしくなります。
ちょっとぼんやりするくらいで、病院に行く数時間前に飲んで、帰るってしばらくする頃には元通りです。
とはいえ医薬品ですからね。
副作用は多くないようですが、暴れるから使おうぜ!みたいな単純なお話ではありません。
ちゃんと猫ちゃんを診察して、処方する必要があります。

暴れる猫ちゃんを落ち着かせるのは難しいけど

色々と書いてきましたが、基本的に今現在暴れてしまう子をコントロールするのは難しいです。
医薬品は割と効果てきめんなことが多いですが、安易に用いるべきでもないとは思いますしね。
ただ、だからといって病院に来ない事も問題です。
様子をみようか…が命取りになることも多くあります。
例えば尿道閉塞(おしっこがでない)などで放置すると、あっという間に死んでしまいます。
そんな不幸をなくすためにも、飼い主様と動物病院と一丸になって、通院しやすい環境を作れるとベストですね。
当院では猫ちゃんも多く診察しておりますので、是非お気軽にご相談ください。