うさぎの骨折。どんな症状?なぜ折れる?【獣医師監修】

うさぎの骨は折れやすいって聞いたことありますでしょうか?
もちろんぴょんぴょん跳ねているだけでポキポキいってたら既にうさぎはいなくなっていると思いますが、折れやすいのは確かです。
というのも、うさぎさんは食物連鎖の中では追われる生き物です。
その為、素早く逃げられるよう進化を遂げたため、骨が薄く軽くなったといわれています。
骨折は怖い事なので、何かある前に確認しておきましょう。

うさぎの骨折の症状

人間でいうと腕と手の境目らへん、脛の骨、ふとももの骨という感じで前脚、後脚の骨折が多いです。
また、胸~腰の間の背骨(脊椎)もよく折れます。

脚がおれた場合は歩き方がおかしくなったり動かなくなったりします。
脊椎も折れやすいのですが、この場合は神経にダメージをうける場合もあるので注意が必要です。
麻痺やトイレができなくなったりすることもあります。

動きがおかしい、動かない、足をずっと気にしているなど普段と違う様子があったら動物病院に行っておいて損はありません。

突然知らない所で骨折する?

抱っこ中に飛び降りて骨折することもありますが、知らない間に椅子等から飛び降りて骨折することもあります。
知らない所で骨折してしまった場合でもすぐに気づけるよう、普段からよく様子をみてあげるようにしてください。

骨折を確かめるためには?

まずは触診・レントゲンで把握することが殆どです。
新たなケガをつくるわけにもいかないので、無理にレントゲンを撮らない場合もあります。
大きな病院だとCTを使用する場合もあるようです。
いずれにせよ、家の中で確かめることは不可能です。

治療するには?

骨折の程度によりますが、当然手術が必要な場合もあります。
飼い主様、うさぎちゃん本人にもできるだけ負担の少ない選択肢を獣医師と相談しながら決めていくべきだと思います。
いずれにしても骨折部位に負担がかからないように、できるだけ動かさないようにすることが基本的な治療です。
自然治癒を待つパターンも少なくありません。
そんなんで綺麗に治るのか、とお思いでしょうが野生ならともかくご家庭に捕食者はいないので、多少いびつに骨折が治った場合でもそこまで問題ないことが多いです。

尚、自然治癒するかもしれないし放っておこう、はダメです。
あくまでも獣医師の管理下で経過を観察しながら行う必要があります。
最近はウサギのペット保険も出てきましたから、費用で選択肢が狭まらぬよう事前に契約しておくのもいいかもしれません。

そもそも骨折を予防したい

骨折となると後遺症の可能性も否定できませんし、予防したいですよね。
ただ、うさぎちゃんはびっくりするようなことで骨折します。
足がひっかかって骨折したり、なんだったら足ダンで骨折することもあります。
その為、完全に予防できはしませんが、人間サイドの不注意で骨折させることは予防することができます。

ひっかかり、段差に注意する

例えば、できるだけ段差はなくすことも一つです。
特にケージ内のロフト、トイレなどは注意ポイントです。
物をつたって高いところにのぼってしまわないように家具の配置等も工夫しましょう。
思わぬ事故を防げます。
絨毯などに引っかかることもあるので、ひっかかりそうなものを避けるのも大事ですし、そもそもひっかかりにくいよう爪切も定期的に行ってください。

触れ合いの仕方も考える。

抱っこするときは座ってください。
暴れて落っこちてもまだ低くてすみます。
また、抱っこしている時に嫌がるようなら一旦やめて別の抱き方をしてみるのも大事です。
バタバタしていることによって骨折することもあり得ます。
ケージから出している間はできるだけ目を離さないのも大事です。
うさぎさんが音もなく忍び寄ってきて人間の足があたってしまったというケースや、ドアに挟んでしまったというケースもあります。
抑えつけるだけで背骨が折れたりするので、爪切り等の場合も無理しないようにしてくださいね。
尚、ご甲斐なきように付記しておきますとスキンシップがダメだというお話ではありません。
そこまで警戒し過ぎることはないですが、嫌がることを無理にしない、高い所にあげない、目を離さない、だけは意識していただければ。

性格も把握しよう

うさぎさんにも好奇心がめちゃくちゃ強い子がいたり、逆に超絶ビビリさんもいます。
好奇心が強い子はケージから出す時の周辺環境をより気にする必要があるでしょうし、ビビリさんの場合は抱っこ等でも嫌がって飛び降りてしまうかもしれません。
また、高齢になると体力も衰えていきますからうさぎさんにとってのバリアフリーもイメージしてあげる方が良いかもしれません。
健康のためにも運動はした方がいいですから、性格や体の状態と相談しながら、リスクの少ない周辺環境を用意してあげてください。

うさぎは超絶デリケート

うさぎの骨はとても軽く薄いので簡単に折れてしまう、ということが伝わりましたでしょうか?
骨折は後遺症の可能性もある怖いケガです。
是非、大切なうさちゃんがケガしないように、したとしてもすぐに治療ができるように心がけていただけると幸いです。
当院では、うさぎさんも土日含め診療しております。
何かあればいつでもご相談くださいませ。